温泉は腰痛に効く? 朝起きると痛いのはなぜ? 「腰」のギモンに専門医が回答
2016年の「国民生活基礎調査」で、自覚症状のある病気やけがのうち、男女ともにトップ1、2に入るのが腰痛です。週刊朝日MOOK「腰痛 肩こり ひざ痛のいい病院」では、腰痛について今更人には聞きづらいことをQ&A形式で掲載致します。
Q:腰痛が「起こりやすい人」はどんな人?
A:おなかに力を入れていない人です
姿勢や仕事などの生活習慣、加齢による骨や関節の変形、筋肉量や筋力の低下など、腰痛にはさまざまな原因が考えられますが、総じて腰痛になりやすい人は、おなかに力を入れていない人、つまり「腹筋を使っていない人」といえます。
筋肉量を保つことも、筋力を鍛えることももちろん重要ですが、腹筋があっても使わなければ意味がありません。立っていても座っていても、おなかにちゃんと力を入れていれば、空気をいっぱい入れたボールのような状態になって腹筋で体重を支えることができ、腰への負担を減らすことができます。
たとえば、テレビを見ていてもCMのときだけは、おなかに力を入れてみる、あるいは、お湯が沸くまでの間、おなかに力を入れて立ってみるなど、生活の中でおなかに力を入れることを意識する時間を持つことを習慣づけましょう。
前かがみになったり、反らしたりせず、なるべく姿勢をまっすぐにして、おなかに力を入れて過ごすことが腰痛予防につながります。
Q:ぎっくり腰になりやすい年齢は?
A:青壮年期なら何歳でもなる可能性があります
無理な姿勢で重いものを持ち上げるなど、強い力が腰にかかって起こる急性腰痛を「ぎっくり腰」と呼びます。ぎっくり腰の原因はさまざまですが、青壮年期なら、どの年齢にも起こり得るでしょう。
ぎっくり腰を予防するためには、重いものを持ち上げるとき、からだから離すのではなく、からだにしっかり引き寄せて持つこと。また、立ったままかがんで持ち上げるのではなく、腰を落として床にひざをつけ、荷物を持ってから立ち上がるようにしましょう。
Q:寝て起きると腰が痛い。なぜ?
A:寝返りが少ない可能性があります
寝返りが少ないなど、長時間同じ姿勢でいることで筋肉や関節が固まってしまうせいかもしれません。人は寝ているときにも動いていますが、お酒を飲んだ後など、眠りが深いと動かないこともあります。起きて腰が痛い場合は、軽くストレッチをするなどゆっくり動かしてみるといいでしょう。
よく、布団は硬いほうがいいといわれますが、適した布団の硬さは体重などによっても異なります。寝てみて「寝返りしやすい硬さ」を目安にするといいでしょう。
Q:温泉は腰痛に効く?
A:筋肉をゆるめるため効果があります
温泉に限らず、入浴によってからだを温めることは腰痛をやわらげるために効果的といえます。温泉の成分に腰痛をやわらげる作用があるというよりは、リラックスしてからだが温まることで、筋肉の緊張がほぐれ、血行がよくなって痛みがやわらぐと考えられます。
諸説ありますが、真水を沸かしたお湯やサラサラの泉質の温泉より、粘質のお湯のほうが対流しにくい分、体感的に熱さを感じにくく長くつかることができ、からだを温めることができるともいわれます。
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