崩れた姿勢は百害あって一利なし!ヘルニアを防ぐ正しい姿勢のススメ
デスクワーカーの持病ともいえる腰痛ですが、腰痛は椎間板ヘルニアの症状の一つの事もあります。そしてその原因は悪い姿勢。姿勢の悪さが癖になってしまい、椎間板ヘルニアを発症してしまった人の投稿がSNSで大きな反響となっています。
この投稿、ツイッターユーザーのもなよさんの実体験。「絵は不真面目だが話は真面目だから聞いてほしい。この絵みたいに、椅子に座る時背中の上の方(もしくは首)は椅子についてるけど、腰周りは前にずれてて謎の間が出来てしまう座り方が癖の方はいませんか?私がそうだったんですけど、マジでヘルニアになるんで今すぐ癖を直してください。地獄ですよ。」と呼び掛けています。
さらに酷い時は机に足を投げ出して座ったりとか……。「このツイートの絵はわかりやすくするために、一番多いパターンの座り方の絵を描きましたが、私の座り方はこれです!!上の絵の1000倍ヤバいです!!!!!!!!」とこちらもイラストつきで紹介されていますが……あー、車の助手席の人とかでこういう姿勢の人よく見る。ダッシュボードに足を投げ出している人もそうですね。
このツイートが投稿されると「まさに同じような姿勢していた」「子供の頃の姿勢のせいでヘルニアになりました」「いつもこれやってるから腰が弱いのか」と、心当たりがある人が次々と現れ、「子供の頃に教えてくれていれば」という人も。それにしても皆さん姿勢悪すぎです……リプライでは共感の他に「これで手術しました」という人もちらほら。
デスクワーク以外にも、車の運転中に腰が痛いという人も。腰痛を我慢しながらの長時間運転は足のしびれにもつながってきます。では、どのような座り方が良いのか。椎間板ヘルニアの発症、症状から解説します。
■そもそも椎間板ヘルニアってどんな状態?
腰痛や足のしびれの原因となる、椎間板ヘルニア。私たちの背骨は7個の頸椎、12個の胸椎、5個の腰椎で成り立っています。この1個1個の椎体と呼ばれる骨の間に椎間板というクッションみたいな軟骨組織があります。
この椎間板、背筋がまっすぐ伸びている状態であれば椎体も斜めにならずに済むので変に負荷がかかる事も少ないのですが、姿勢を崩すと斜めになった椎体を椎間板が変形して支える事となります。こうなると狭くなった椎体の間から椎間板が飛び出した状態となり、飛び出した部分が神経を圧迫。神経が圧迫されると傷みやしびれという状態を引き起こします。
一時的な姿勢の悪さでは椎間板は弾力があるのでもとの形に戻りますが、崩れた姿勢のままで過ごす時間が長くなると、椎間板は変形したまま戻らなくなり、神経を圧迫し続けてしまいます。これが椎間板ヘルニアといわれる状態です。
ツイートを投稿したもなよさんは、中学生くらいからひどく姿勢を崩した状態が癖になってしまっていたとの事。腰痛から臀部や太もものしびれが出て、一時期は歩行もかなり困難だった様子。手術するまではいかなかったものの、腰部の注射(神経根ブロック)とリハビリを続ける事で現在は軽快しているそうです。
椎間板ヘルニアは圧迫している神経の場所によって臀部や下肢のしびれ、膀胱へ繋がる神経の圧迫による排尿困難、感覚のマヒなど下半身の症状が出ます。こうした症状が出てきてから治療して治すまでにはかなりの時間を掛ける必要があり、重度では手術して飛び出した椎間板を取り除き、神経の圧迫を解除する必要があります。
筆者は看護師として整形外科病棟で数年間勤務していましたが、ヘルニアで入院、手術となった人も何人も看てきています。極度の肥満や日常的に重い物を持つ作業の人も多くいましたが、姿勢の悪さが一緒に悪さをしているというのが非常に目立っていました。
退院時の指導として、減量やコルセットの着用で腰を保護、腹筋と背筋など腰回りの筋力をつける事をよく患者さんに説明しておりました。
■ 腰痛対策の正しい方法
小学校に入学した時、1年生の教室には正しい姿勢の絵が黒板の上に掲げられている教室も多いと思います。背もたれと机の間前後にこぶし1個分の隙間を取り、まっすぐな姿勢を保つ。この状態こそが一番椎間板に負担を掛けない姿勢であり、腰痛を予防する姿勢なのです。
とはいえ、小学生のうちだとその大切さはなかなか理解できないもの。そして、長時間背中を丸くしたり頭を下に下げている状態が癖になってしまうとなかなか正しい姿勢に戻そうとしても戻せません。子供のうちは骨も椎間板もしなりが良いので姿勢を崩していてもあまり気にならないかもしれませんが、中学生くらいから姿勢を崩したままゲームをしたり勉強したりを繰り返していると、将来腰痛で悩む事に繋がってしまいます。
普段座って勉強や作業をする人は、次の事に気を付けてみてください
1.胸を張って背筋を伸ばし、骨盤を座面と垂直にするようなイメージで座る
2.視線が下に向きがちな時は、30分に1回くらい頭を後ろに倒す、首の運動をする
1については、まさに小学1年生でみる正しい姿勢の絵の通り。まっすぐ前を向いた状態で気をつけの姿勢を取ると背中は丸まらないと思いますが、その状態を座ったままキープします。座るとつい緩んでしまいがちになって背筋が丸まりがちですが、実は背筋が伸びている状態こそが、背骨にとって一番楽な姿勢なのです。崩した姿勢は腹筋も背筋も使わないので楽に感じるかもしれませんが、背骨に大きな負担をかけているのです。
2については、頸椎のヘルニアを予防する効果と肩こりなどにも効果があります。下を向きっぱなしでスマホを触っている人も多いかもしれませんが、ずっと下を向いている事で頸椎の椎間板も同様につぶれて出てきてしまいます。頸椎ヘルニアでは首や肩の痛みとともに手のひらや腕のしびれなどの症状も出ます。酷いと箸を持つのも困難となります。
つい姿勢が崩れてしまう、という人は椅子にサポートクッションを入れるというのも一つの方法。また、腹筋や背筋は鍛えておくと腰回りを支えやすくなり、正しい姿勢を取る事があまり苦にならなくなるのでストレッチがてら一緒に鍛えておく事をお勧めします。週に3回くらい、自分の身体の状況にあった腹筋・背筋トレーニングをやってみてください。ただし無理は禁物。筋肉痛になった場合には筋肉痛がとれるまではトレーニングをやめてください。また、症状が酷い人は自己判断でのトレーニングは行わず必ず専門家に指導を仰いで下さい。
他にも重たいものを持ち上げるのはヘルニアや腰痛持ちの人は極力避けましょう。どうしても必要な場合は、足を肩幅よりも少し広く開き、膝を曲げて重心をしっかり下げてから物を持つようにします。中腰での作業は一番腰を痛めます。正しい体の使い方で腰を守る事ができるので、少しの動作だからと面倒がらずにしっかりと腰を落として物を持ち上げてください。
腰痛は生活にも大きく影響します。姿勢が悪い人は、この機会に見直しておきましょう。
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